不妊・子宝のお悩み

不妊・子宝のお悩み

不妊・不育とは

日本産科婦人科学会では、妊娠を希望しながらも1年以上妊活を続けても妊娠に至らない状態を「不妊症」と定義しています。

一方で漢方医学では、不妊症を「不孕(ふよう)」または「不育(ふいく)」と呼びます。

不孕は妊娠が成立しない状態、不育は妊娠しても流産や早産などで出産に至らない状態を指します。

不妊に悩むカップルは10組に1組存在すると言われており、その原因の割合は以下のように分けられます。

不妊・不育とは
女性側に原因があるもの約40%
男性側に原因があるもの約20%
男女双方に原因があるもの約20%
原因不明約20%

このように、不妊の原因は男女どちらか一方だけにあるとは限らず、複数の要因が重なっているケースも多いのが現状です。

そのため、漢方治療を始める際には、ご夫婦で一緒にカウンセリングを受けることをおすすめしています。

不妊治療は夫婦二人の共同作業であり、共に協力して進めていくことが最も大切なポイントです。

漢方薬で期待できること

妊娠に必要な環境を整える

妊娠において、ホルモンバランスは非常に重要な役割を果たします。

女性ホルモンには、卵巣から分泌されるエストロゲンやプロゲステロン、脳から分泌されるゴナドトロピンなどがありますが、これらが適切に作用することで妊娠が成立しやすくなります。

漢方薬はホルモンバランスをサポートするため、自律神経の働きを整え、脳と卵巣の連携を助けます。

また、血流を良くする効果がある漢方を併用することで、子宮や卵巣への血流が改善され、これによりホルモンが行き届きやすくなります。

結果として、妊娠に必要な環境を整える効果が期待できます。

体全体の冷えや血流の滞りの改善

不妊の原因を考える際、子宮や卵巣の問題ばかりに目を向けがちですが、体全体の冷えや血流の滞りも大きな要因となります。

東洋医学では、体の「気血(きけつ)」が滞ることで妊娠しにくい状態になると考えられています。

漢方薬は血流を改善し、冷えやコリを取り除くことで、体全体のバランスを整えます。

体温を安定させることで子宮や卵巣の働きを高め、妊娠しやすい体づくりをサポートします。

妊娠に適した体質へ導く

現代の食生活では、栄養の偏りやストレスが原因で、体に必要なエネルギーが不足することが多くあります。

漢方薬は体のバランスを整え、自然由来の成分で必要な栄養を補います。

胃腸の働きを助ける漢方薬や血流を改善する漢方薬を組み合わせることで、体全体の活力を高め、妊娠に適した体質へ導きます。

心と体を同時にケア

不妊治療には精神的なストレスや不安が伴いやすいですが、心の状態は妊娠にも大きく影響します。

漢方薬は脳、免疫、代謝のバランスを整えることで、心を安定させる効果が期待できます。

リラックスした状態を作ることで、心身の準備が整い、赤ちゃんを迎える体づくりが可能になります。

漢方薬を使うメリット

自然な妊娠を目指せる

現代の不妊治療は、人工授精や体外受精などが進化していますが、検査や薬の投与による母体への負担も少なくありません。

漢方薬は、こうした負担を軽減しながら、自然な妊娠を目指す体づくりをサポートします。

古来の漢方治療を基盤に、栄養補助食品を組み合わせることで、より効果的なアプローチが可能になります。

自然な妊娠を目指せる

副作用が少ない

漢方薬は、自然の生薬を使用しており、副作用が少ないのが特徴です。

妊娠しやすい体を作るために、体の内側から体質を改善し、本来持っている自然治癒力を引き出します。

漢方を使う不妊治療の考え方

未病を改善して妊娠しやすい体に

東洋医学では「未病」という考え方があります。

これは、病気とは診断されないが、冷え性や生理不順、生理痛といった軽い不調がある状態を指します。

漢方薬はこうした未病を改善し、妊娠しやすい体へと導きます。

体質が改善されることで子宮内膜や卵子の質も向上し、妊娠の可能性が高まります。

冷えと血虚の改善

妊娠にとって「冷え」は大敵です。

冷えがあると子宮や卵巣の血流が悪くなり、妊娠に必要なホルモンや栄養が届きにくくなります。

漢方薬は冷えを改善し、血流を促すことで妊娠に向けた体づくりを行います。

また、毎月の生理による出血や栄養不足が「血虚(けっきょ)」の原因となり、不妊の要因となることがあります。

漢方薬では、血を補う「補血薬」を用いることで血虚を改善し、体全体の栄養状態を高めます。

腎を強化し生殖能力を高める

漢方では「腎」が生殖能力をつかさどると考えられています。

腎には「腎精(じんせい)」という生命エネルギーが蓄えられており、これが不足すると生殖能力が低下するとされています。

腎を強化する漢方薬を用いることで、妊娠しやすい体づくりを目指します。

不妊治療に用いられる代表的な漢方薬

冷え性改善の漢方薬冷えを改善し、子宮環境を整えます。
冷えは生理不順や排卵の乱れにもつながるため、妊娠には温かい体が必要です。
血流を良くする漢方薬貧血や血行不良を改善し、体全体の栄養状態を向上させます。
これにより、妊娠力を高めるだけでなく、立ちくらみや疲れも軽減します。
水分代謝を整える漢方薬体内の余分な水分を排出し、代謝を良くすることで、健康な子宮を育てる環境を整えます。
精神を安定させる漢方薬ストレスや不安を和らげ、リラックスした心を作ることで、妊娠に向けた心身の準備を整えます。