【広島市南区】手足の冷えを改善するには?体の中から温める漢方薬の選び方

冬になると冷えるのは当たり前.
とはいえ、季節に関係なく、手足の先がいつも冷えてつらい。
そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
冷えは体質のように思われがちですが、放っておくと肩こりや不眠、免疫力の低下、生理不順など、さまざまな不調を引き起こすこともあります。
西洋医学では「冷え性」という名前の病気は存在しませんが、漢方では冷えを未病(みびょう)として捉え、体の巡りが滞っているサインと考えます。
単に外から温めるのではなく、体の内側から冷えにくい体づくりを行うことで、根本からの改善を目指すのが漢方のアプローチです。
この記事では、手足の冷えが起こる原因を漢方の視点で読み解き、体質別にどんな漢方薬が選ばれるのかを丁寧に解説します。
併せて、日常生活でできるセルフケアも紹介していますので、慢性的な冷えに悩む方はぜひ参考にしてください。

冷えは「体からのSOS」かもしれない
手足が冷たくなる原因は、単に外気温の影響だけではありません。
漢方では、冷えは体の「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の巡りが滞っている状態と考えられています。
たとえば、以下のような体質が背景にあることが多いです。
気虚(ききょ)
エネルギー不足により、体を温める力が弱い
血虚(けっきょ)
血液の量が不足して、熱を運ぶことができない
陽虚(ようきょ)
内臓の働きが低下し、体の深部から冷えている
瘀血(おけつ)
血の巡りが悪く、冷えやすい状態になっている
これらの体質は、単に手足が冷えるだけでなく、疲れやすい・顔色が悪い・むくみやすい・月経不順など、他の不調も併せて現れることがよくあります。
そのため、「冷え」という一見シンプルな症状も、実は体全体のバランスが崩れているサインとして見逃せないのです。
体質別・手足の冷えに使われる代表的な漢方薬
手足の冷えを改善するためには、自分の体質を見極め、それに合った漢方薬を選ぶことが大切です。
これから冷えに対してよく使われる代表的な処方と、それぞれの体質に合うタイプを紹介します。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
冷えの定番といえる処方。特に手足の末端が氷のように冷たい、冬になるとしびれを感じるといった症状がある方に使われます。
血行を良くし、体の隅々まで温かさを届けるようサポートします。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
冷えと同時に血の巡りが悪い(瘀血)タイプに向いています。
肩こりや頭痛、月経痛などを伴う場合にも効果が期待される処方です。
冷えの中でも「のぼせを感じるが手足は冷たい」ようなタイプの人にも合うことがあります。
八味地黄丸(はちみじおうがん)
年齢とともに手足の冷えが強くなった、トイレが近い、足腰が弱くなった。
そんな加齢による「腎の衰え」からくる冷えに使われます。
体の深部から温める力を補い、慢性的な冷えに働きかけます。
真武湯(しんぶとう)
手足の冷えに加えて、下痢しやすい・むくみやすい・疲れやすいといった「陽虚」タイプの方に向いています。
体の内側から温める力を補い、胃腸機能も同時にサポートしてくれます。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
気力が出ず、疲れやすく、食欲がない。そんな「気虚」による冷えには、この処方がよく使われます。
胃腸を整えながら、体の中心からエネルギーを補い、冷えにくい体へと導いてくれます。
冷え改善に効果を高める服用のコツ
漢方薬の効果を最大限に引き出すためには、服用タイミングや飲み方にも工夫が必要です。
食前または食間に服用する
吸収の面から見て、空腹時に飲む方が効果を感じやすいとされています。
食事の30分前、もしくは食後2時間ほど空けての服用が基本です。
温かいお湯で飲む
漢方薬は基本的にぬるま湯での服用が勧められます。
冷たい水で飲むと、せっかく体を温めようとしているのに逆効果になることもあります。
継続がなにより大切
冷えは長年の体質が影響していることが多いため、即効性よりも体が変わっていく感覚を見守ることが大切です。
少なくとも1〜3か月は続けてみる意識で取り組みましょう。

日常生活でも冷えをためない工夫を
漢方薬と併せて、生活の中でも冷えを遠ざける工夫をすると、改善がスムーズになります。
体を温める食材を取り入れる
生姜、にんにく、ねぎ、シナモン、山椒などは体を内側から温める作用があります。
一方で、トマト、きゅうり、バナナなどの体を冷やす食材は摂りすぎに注意が必要です。
適度な運動で巡りを良くする
冷えは血行不良と密接に関わっています。
軽いストレッチやウォーキングなど、毎日少しずつでも体を動かす習慣を持つことで、自然と体温が上がりやすくなります。
湯船にゆっくりつかる
シャワーだけでは体の表面しか温まりません。
38~40℃のぬるめのお湯に20分ほどつかると、じんわりと芯から温まります。
足湯だけでも冷えには効果的です。
足元を冷やさない工夫を
スリッパを履く、靴下を重ねる、ひざ掛けを使うなど、地面に近い場所ほど冷えることを意識して工夫しましょう。
特に冷房が効いた室内では夏でも油断できません。
専門家に相談して、自分に合った漢方を選ぶ
冷えの原因は人それぞれ違います。
「冷え性だからこれ」と自己判断で市販薬を試すのも良いのですが、できれば漢方に詳しい医師や薬剤師に相談して、自分の体質に合った処方を見つけることをおすすめします。
問診では、単に「冷えますか?」という質問だけでなく、便通、尿の回数、睡眠の質、食欲、ストレスの有無まで細かく聞かれることが一般的です。
こうした総合的な情報をもとに、最適な処方が決まるのが漢方の魅力でもあります。
冷え体質を脱する第一歩は「内側を温める」ことから
手足の冷えに悩む方は、外から温めることに加えて「どうして冷えるのか」という内側の原因に目を向けることが大切です。
漢方はその答えを、気・血・水、そして体質という視点から紐解き、根本から体を変えていく手段を与えてくれます。
体質に合った漢方薬を選び、食生活や運動、入浴など、冷えを遠ざける生活習慣を積み重ねることで、手足の温かさだけでなく、全身の調子も整っていくのを感じられるようになるはずです。
「ずっと冷え性だから仕方ない」とあきらめず、自分の体と対話するようなつもりで、冷え改善に取り組んでみましょう。
広島市南区宇品御幸の「スマイル薬局」
スマイル薬局は、平成5年に広島市南区宇品で開業し、地域の皆さまに支えられながら32年目を迎えることができました。
32坪の店舗中央に坪庭と広いサロン、両側には滝流れが見える示室を併設し、心の癒しを大切にした漢方相談薬局を目指しております。
当薬局は、ただ薬をお渡しするだけではなく、一人ひとりの体調や生活習慣に寄り添い、漢方薬やサプリメントのご提案、さらには食事や生活習慣のアドバイスを通じて、健康を根本から整えるお手伝いをしています。
「なんとなく調子が悪い」「原因がわからないけれど辛い」といった曖昧な体の不調でも、ぜひ一度ご相談ください。
スマイル薬局が大切にしているのは、お客様の「夢」を応援することです。
大きな目標を持つ方も、日常をもっと笑顔で過ごしたい方も、夢の形は人それぞれです。
どんな夢であっても、それを叶えるには健康な心と体が欠かせません。
体が整えば、心も軽やかになり、夢に向かう一歩を踏み出せるようになります。
当薬局は、漢方の力を活かして、お客様の夢や目標をそっと支える存在でありたいと思っています。
スマイル薬局
TEL:082-253-9383
住所:〒734-0015 広島市南区宇品御幸3丁目1-6